文教委員会 質問-2012年6月28日(木)

◉今年度初めての文教委員会 質問◉

 

今年度初めての文教委員会の質問の日でした。

8名の委員から活発な質問、意見、要望が出ました。

 

私は愛知県の英語教育のことについて質問いたしました。

 

内容は以下の通りです。

 


1 <高等学校教育課への質問>


英語教育のことに関しまして、数点お伺いさせていただきます。


今アジアの中では韓国人がとにかく元気だと聞きます。一方日本人はいい人なんだけど存在感がないというのが世界の一般的な評価になっています。色々と要因はあると思いますが、まずは英語でのコミュニケーション能力のなさが、自信のなさにつながり、世界の中では目立たない存在になってきていると言えるのではないでしょうか。

 

世界で闘える愛知をつくるためには、もの作りの技術を高めて、世界に発信し、売り込んで行くことももちろん大切です。しかしこれからの日本を担っていく子供たちが、世界の出来事にもっと関心をもち、異文化を分かり合い、多くの人と語り合えるための英語でのコミュニケーション能力をしっかりと身につけることができなければ、世界と闘うことなどできないと思いますし、相手にさえしてもらえなくなってしまうのではないかと危惧しているところであります。

 

さて、高等学校では平成25年度から、『英語の授業は英語で行うことを基本とする』とされ、少しは日本の英語教育も前進できるのかな、と思えるところですが、英語の教員の英会話力がないのに英語で授業が本当にできるのか危惧するところです。

県教育委員会としては、このような教員の力不足という問題点も踏まえて準備をどのように行っているのか、まずお伺いしたいと思います。 

 

<高等学校教育課長の答弁>

 

平成21年度から「英語科教員地区別研修」を行い、指導方法の研修を行っている。また、24年度からは国事業であるが、「英語力を強化する指導改善の取組」として、国際理解コースをもつ2校を拠点校として、英語学習に対するモチベーションの向上や、指導方法の研修、英語力の検証を行っている。これらの研究成果は他校にも普及、還元させます。

 

1 <小・中・高一貫教育に関する質問>

  

また、昨年度からは小学校においても5年生から外国語活動が始まっており、これまでの英語教育からすれば1歩は前進したのかなとは思います。ただ、小学校の授業では簡単な単語や短いフレーズを少し覚える程度で、中学校でも、教科書のダイアログや例文、単語などの暗記が中心で、聞いたり話したりすることを徹底的に練習することはしてないようなので、日常で使われている自然な英語での会話や、海外のドラマやアニメなどが理解できるほどにはなっていないというのが実情です。

これからの課題としては、実際に使える英語を身につけるための小・中・高のそれぞれの段階に応じながらも、一貫した英語教育が必要になってくると考えます。県としてはどのように小・中・高一貫の英語教育を進めていくおつもりか、お聞かせください。

 

<高等学校教育課長の答弁>

 中高の連携が重要であり、「英語力を強化する指導改善の取組」の中でも研究を進める予定であります。

 

2 <ALTの活用の仕方に関する質問>

もう一点、外国人によるアシスタントティーチャーであるALTはどのように活用されていらっしゃるでしょうか?

単に日本人教員のアシスタントとして活用するのではなく、生徒のモチベーションを高めるような活用が必要と考えますが、いかがでしょうか?

 

<義務教育課長答弁>

 ALTが53市町村で309人採用されており、これらを活用し、英語教育の質を高めていきたい。

 

3 <教職員課への質問>

 次に先ほども申し上げましたが、私は国際社会で堂々と自己主張のできる、実践的な英語によるコミュニケーション能力を身につけさせることが非常に大切であると考えておりますが、それには英語教育に携わる教員も、特に来年度からは、高校の英語の授業が英語で行われるので、しっかりとした知識と豊富な経験、よりよい資質と英会話能力が必要であると思いますが、本県はどのような考えで教員を採用しているのでしょうか? 

 

ちなみに秋田県では簡単な英会話ぐらいは出来てほしい、という願いから、10年以上前から受験者への英会話試験を実施していますが、本県はどのような工夫をしているのでしょうか? お伺いいたします。

  

<教職員課長答弁>

 実技試験において、自分の考えを英語で発現させるなど、実践的なコミュニケーション能力を評価しているほか、TOEFLやTOEICを評価した特別選考を実施している。また青年海外協力隊として活動実績のある者については、1次試験の一部を免除する特別選考を実施しています。

  

<私からの要望>

 ◉ALTの活用に関しましては、現状では日本の英語教員のアシスタントでしかないので、せっかくのネイティブの良さを十分に発揮できているとは言えません。ALTが入っている授業に関しては、日本人の英語教員はアシスタントに徹して、ALTがメインの先生として、会話中心の生きた英語に触れさせるべきだと考えます。ぜひともALTをもっと効果的に活用できるように工夫し、現場によりよい授業のあり方を提案、指導して行っていただきたいと思います。

 

◉高等学校の教員試験に関しましては、ぜひとも、『英会話力』ということを重視し、ネイティブスピーカーと日本人の試験管をつけての英語での面接を是非実施していただきたい!といういうことを要望いたします。

 

◉それからもうひとつ

愛知県ならではの英語教育を構築していくためには、理想としては愛知県自体が、文科省の指導要領に縛られない特例区となり、独立した自由な英語教育プロジェクトを立ち上げて、実施していくことだと思います。簡単なことではないと思いますが、是非これからの愛知の教育の喫緊の目標として、海外留学の経験のある有識者や教育関係者などを集めて

新たな指導要領を具体的に作るなどして、積極的に推し進めていっていただくよう強く心から要望いたします。

 

(以上)

 

東ゆうこ