『経政会2013年新春賀詞交歓会』で武田邦彦先生の講演 『日本の未来を考える』2013年1月16日(水)

 

テレビのトーク番組でもお馴染みの中部大学合工学研究所教授、副所長でもある武田先生の話は、尖閣諸島の問題から地球温暖化問題、原発、環境、エネルギー問題、そして現代社会に生きる私たちは、どう生きていくべきなのかというところまで、幅広いテーマで展開されました。

 

地球温暖化に関しては、心配しなくても過去のデータから温暖化や寒冷化は人が二酸化炭素を出さなくても起こる。太陽そのものは原子炉だから、いつも一定に燃えている訳ではなく、時には沈静化し、時には活発になる。それに応じて地球が暖かくなったり冷たくなったりする。過去何万年を遡ってデータを見てみると、地軸の傾き、海流の流れの変化、そして大陸の移動などによって気候は大幅に変化してきた。

過去1000年くらいの日本を振り返っても、奈良時代には急激に気温が5度くらい上がったが、その頃二酸化炭素が原因だったということは考えられない。その後江戸時代には再び寒くなって、その後少しずつ気温が上昇して現在に至っているが、また寒くなるかもしれない。だからCO2による地球温暖化を心配するのは、まったく無意味なのではないか。

 

石油・天然ガスがもうすぐなくなるというのもウソで、過去では手が届かなかった地下3000メートルの石油の本体に今では手が届く技術が10年くらい前から開発されるようになり、2009年からアメリカではこの手法で石油を採掘し始めている。この方法で採掘すれば楽に1万年は持つ。

これまでの手法は地下わずか数百メートルのところに奥深くから漏れ出てきた石油やガスのことを油田、あるいはガス田と呼び、この油田を採掘してきた。これらの油田採掘は中東を始め、限られた場所でしか行うことができなかった。しかしこの新たな3000メートル地下を掘る手法ならば、温泉を掘る感覚でどこででも採掘できる。

 

原発に関しては、ひとたび事故が起きると多くの人の人生を狂わせ、健康に被害をもたらすものなので、そんな危険なものを孫の時代に引き渡すというのは言語同断で、ましてや核廃棄物の処理の方法が分からぬまま稼働させるということは、トイレ(排泄物の処理施設)を作らずに、人が住む家を建てるようなもの。

 

他にも色々話をされておりましたが、結びに、この講演の一番のテーマであったかもしれない『私たちが社会で生きる意味』についておもしろおかしく話されました。

 

鮭のお母さんは卵を生んだら、まだ元気なうちに卵のそばですぐに死ぬということ。どういうことかいうと、卵がかえったとき、死んだ自分の栄養分を吸収して育つように、やせ衰えるまで待たずに、元気なうちに卵を生んだらすぐ死ぬ、ということ。

野生の動物は、そうやって子孫繁栄のための自然の摂理の中で厳しく生きている。だが人間の女性は子どもを産み、子育てが終わり、生理が終わってからも、楽しくごはんを食べて生き残っているのは一体どうしてだろう?

自然の摂理で何か意味があるとするならば、きっと人間の子どもは手がかかるから、今度は孫の面倒をみるためではないか?孫のいない女性でも地域社会の中でボランティアなどして、世の中のために尽くす女性がたくさんいる。だから生かされているのではないか?

 

では、50歳を超えたじじいは何故生かされてるのか?

それはきっとこれまでの経験と知恵で孫の世代にまで職業を残すためではないか?・・・そうです、50歳を超えたら次の世代にバトンタッチできるようなりっぱな職業を残す努力をすることで、生き残る価値がある!

ということです。

 

なるほど・・・ですね。

 

yk